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この“米国で起業し成功する方法”その1では会社設立、その2では商標、その3では契約、その4では雇用法、その5では税法、その6では会社法、その7では証券法、その8では著作権法について話しました。今回は税務申告の時期でもありますので税務の実務について話します。税務の実務―1として、”個人所得税の基本知識”について少し具体的に話します。
米国では、連邦政府と州政府の二つの政府が存在するために、所得税も、連邦政府と州政府へ別々に申告納付する義務があります。これは、個人でも法人でも同じことです。米国の居住者は、全ての総所得から、種々の控除を差し引いた課税所得に対する税金を連邦政府(IRS)に納付する義務があります。また、州政府にはその州で発生した所得に対して、州所得税を納付する義務があります。現在、個人所得税納付の義務が無い州は、アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコダ、テキサス、ワシントン、ワイオミングの7つの州となっています。その他の州は州所得税を申告納付する義務があります。なお、連邦所得税は、州所得税がない州に居住していても納付する義務があります。
所得税の計算方法は、総所得(Gross Income)より所得調整控除(Deduction for AGI)
を差し引き、調整総所得(Adjusted Gross Income)を算出します。この調整総所得より、標準控除額(Standard deduction)か、項目別控除(Itemized deduction)を選択して差し引きます。さらに、人的控除(Personal Exemption)を差し引いて、課税所得(taxable Income)を算出します。この課税所得に税率を掛けて税額を算出します。この税額から、税額控除(Tax Credits)を差し引き、支払い税額(Tax Liability)を算出します。
申告所得の対象となる、総所得は、連邦税法(IRC)で、”except as otherwise provided…, all income from whatever source derived.” と定義されており、連邦税法で除外されていない限りは、全ての源泉の所得が総所得に含まれ課税の対象になるとしています。具体的には、給与、賞与、配当、利息、年金、退職金、事業所得、株や不動産の売却益、ギャンブルの利益、宝くじの賞金などの殆どの所得が課税の対象となります。
課税の対象とならない所得の例としては、自動車事故などによる傷害に対する賠償金、生命保険の死亡保険金、労災保険の保険金、相続や贈与により受領した金銭などです。また、これらの相続や贈与による受領は相続税や贈与税の対象となります。
| 所得調整控除(Deduction for AGI) |
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所得調整控除の対象となる控除項目は、個人退職金口座拠出金(IRA deduction)、教育ローン支払い利子(Student loan interest)、医療貯蓄口座拠出金(health saving account deduction)、転居費用(Moving expense)、自営業税の半分(One-half of self employment tax)、自営業健康保険料(Self-employed health insurance deduction)、離婚補償金(Alimony)、教育者費用(Educator expenses)などが含まれます。
| 標準控除(Standard deduction)と項目別控除(Itemized deduction) |
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標準控除と項目別控除はどちらか一つの選択となります。但し、非居住者は項目別控除だけしか認められません。標準控除は、具体的な経費項目を挙げずに、申告者の家族構成により、一定額の控除が認められます。その金額(2006年度)は、独身者申告(Single)が$5,150、 夫婦合算申告(Married filing jointly)が$10,300、夫婦個別申告(Married filing separately) が $5,150となっており、納税者の申告の区分により違っています。
項目別控除は、個別控除と呼ばれることもあります。個人消費生活にかかわる経費のうち、税法上認められているものを項目別に並べて、その合計額を控除する方式です。項目別控除に含まれる経費としては、医療費、住宅ローンの利息、寄付金、災害盗難損失、勤務活動経費、投資関連経費、固定資産税などがあります。一般的に、持家がある納税者は、固定資産税と住宅ローンの利息の金額だけで、標準控除の金額を越えることが多いため、項目別控除方式を選択することによって節税が可能となります。
| 標準控除(Standard deduction)と項目別控除(Itemized deduction) |
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人的控除、扶養控除は、納税者本人、配偶者、扶養家族各一人について一定金額の控除が認められるという制度です。日本の所得税の基礎控除、配偶者控除、扶養控除に相当します。2006年の人的控除、扶養控除の額は、1人$3,300となっています。
扶養控除が認められるには、5つの条件を満たす必要があります。5つの条件とは、被扶養者が一定の親族である事(Relationship test), 総所得の制限(Gross income test)、 扶養をしている事実 (Support test)、 被扶養者が 夫婦合算申告をしていない事 (Joint return test)、被扶養者が 市民或いは居住者である事 (Citizenship test)となっています。
| 課税所得(Taxable income)と税額控除(Tax Credit) |
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上記のように、総所得から、所得調整控除、標準控除或いは項目別控除と人的控除、扶養控除を差し引き、課税所得が算出されます。この課税所得に該当する税率(10%から35%)を乗じて税額を確定します。
税額控除とは、税額を計算した後、税額から差し引く形で控除を受けます。主な税額控除には、外国税控除(Foreign tax credit)、子供控除(Child tax credit)、子供世話費控除(Child care credit)、老人、障害者控除(Elderly and disable credit)、教育費控除(Education credit)などがあります。 これらの税額控除を差し引き、納付する税額を算出します。さらに、この確定税額から既に納付済みの予定納税や給与等の源泉徴収額を差し引いて税金を支払うことになります。
参考文献:West Federal Taxation, Income Tax Fundamental-Thompson South-Western
IRS ホームページ
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